#働く女性インタビュー
母である人 ニット作家 鬼ヶ一緋沙子

ベージュのトレンチコートに黒いニット帽、大きなサングラスにキャリーバッグ。そして手を繋ぐ、可愛い4歳の女の子。彼女との初対面は吉祥寺駅バスターミナル、強い雨が降り、まだ寒さが残る春の夕方でした。
彼女の職業は〈ニット作家〉。
地中海に浮かぶマルタ島にフィッシャーマンズセーターを勉強する旅に出る、その日でした。

 

 

 

■フィッシャーマンズセーターとは

 

フィッシャーマンズセーターとは、その名の通り漁師が着ていたセーター(仕事着)のこと。漁師町の女性たちは、危険や寒さと隣り合わせで生きる彼らの無事を祈り、夫や息子のために編んだと言われています。
各家庭で編み方が異なる祈りの証である他に、遭難や事故では個人を特定する家紋のような役割を持つ歴史あるセーターです。
彼女たちが訪れたマルタ島は、漁師町が点在する海が広がる美しい場所。言葉の成長が遅れている娘さんが、最初に「きれい」と口にした水面にあふれている町です。

 

 ■同じ女性として

 

自分は弱いと言葉にしながらも、とても強く見える彼女。「同世代の女性たちへメッセージがほしい」とお願いをしたら「もっと自由でいいと思う!」と、答えてくれました。
「女性であるから、結婚をしているから、母親であるから、と向けられる世間の目より“何よりも自分自身や家族が幸せを感じれること”が大事」
周りの目を気にして、一番幸せを感じてもらいたい人を不幸にしては元も子もありません。彼女自身も、娘ばかりにとらわれずに自分の足で人生を歩いていくのがこれからの課題だ、と話してくれました。
そんな母の背中を、娘さんはきっと、見てくれているはずだから。


PROFILE

鬼ヶ一 緋沙子 / オニガイチ ヒサコ


ニット作家。フィッシャーマンズセーターを通し、世界の女性の貧困を救う活動を行う。
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